ANTIQUE COINS

アンティークコインとは About Antique Coins

アンティークコインと呼ばれるものは、100年以上前のコインの総称とされています。全世界に20万種類程存在すると言われており、その歴史的価値と芸術性・希少性から世界中にコレクターが存在しています。

金や銀などの素材で作られることから、貴金属としての価値はもちろん、人々を魅了するデザインの美しさや当時の歴史を今に伝える歴史遺産として欧州の貴族や富裕層に人気がありコレクションされ続けています。

尚、その歴史は古く、紀元前7世紀の終わり頃、現在のトルコ西部を支配していたリディア王国で初代君主ギュゲス王が発行させた【エレクトロン貨】と呼ばれる金と銀の自然合金で出来た貨幣が【人類最初の貨幣】とされています。

世界最古のエレクトロン貨「リディアコイン」
世界最古のエレクトロン貨
「リディアコイン」
INVESTMENT

アンティーク
コイン投資とは

コイン自体の素材の希少性(劣化しにくい金や銀)、コレクターを魅了するデザイン、当時の歴史やコイン独自の来歴などを備える一方で、長い時間の経過によって現存する枚数が減少することによる希少性、さらに保存状態などの掛け合わせで価値が変動する特性があるため投資対象とされてきました。

そもそもの発行枚数が少なく、未使用で美品といわれる中世のコインなどは現存枚数に限りがあります。
そのため、絵画などと同様に歴史的資産として、保存状態(鑑定グレード)が重要とされます。
同一のコインであってもこの鑑定グレードの違いによって、大幅な価格差を生じることになります。

コイン自体の素材と歴史的価値、時間経過による希少性、その鑑定に裏打ちされた資産価値、世界に数多く存在するコレクターによる人気の高まりこそが、アンティークコインを実物資産としての投資対象にまで押し上げました。

一定期間保有する中長期投資が前提となるため、短期間で資産を増やしたいという方には向いていません。年単位で徐々に希少性と人気を増すことによる価格変化を楽しむというイメージです。

アンティークコインの価格は保存状態やデザイン、残存枚数によって大きく上下しますが、最も大きな影響を与えるのは需給のバランスです。
歴史的価値を持つコインは、人々が本源的に持つ嗜好に支えられているだけに、景気の変動や金融ショックから最も遠い距離にあるといえます。富裕層をはじめとする買い手のニーズが広がりをみせていることから、分散投資の一躍を担う代替資産としてアンティークコインの市場は拡大し、その相場は上昇を続けています。

アンティークコインの日本市場 Japanese market

日本においてのコイン市場は、世界と全く異なる状況にあるといえます。

日本においても古くからのコレクターはいますが、主な収集対象は伝統的な日本の古銭であり、コレクションアイテムとしてもマイナーであるといえるほか、まだまだコレクターの層が非常に薄いというのが特徴です。

コレクションが盛んな欧州においては、紀元前にコイン収集の記録が残っており、歴史的文化的な価値を持つアンティークコインのコレクションは「King's hobby, Hobby of King.」(王様の趣味、趣味の王様)と高尚な趣味であるとされ、多くの人たちにも裾野を広げてきた長い歴史があります。

また単に趣味としてだけでなく、陸続きで他国からの侵略を受けやすいという欧州独特の地理的環境から資産保全の手段としての意味合いを持ってきたとされます。
他国の侵略を受けた場合、手軽に国外に持ち出せるコインは資産保全の有効な手段として捉えられてきました。単なる趣味の域を超えて自らの子孫に保有資産を継がせるための重要な手段として位置付けられてきたといえます。

その点で、日本は貨幣ができた時代から長きに渡って天下泰平の世が続いたため、他国からの侵略を想定して自らの資産を守るためにコインを活用しようなどという思想や文化はなかったといわれています。
(日本にも古銭収集の文化はあり、江戸時代には「銭譜」と呼ばれる貨幣図鑑がありました。)明治になってようやく日本でも世界水準の金貨や銀貨が発行されるようになり、産業の発展に伴っていわゆる大商人や資本家、いわゆる富裕層も現れました。
彼らのなかには美術品のコレクターは多かったものの、コインの収集についての記録はほとんど残されていません。

もちろん、日本では当時発行された貨幣の種類が少なかったため、興味の対象はわずかなデザインの違いや、発行過程におけるミス、鋳造された地方の違いなどに注目が集まっていき、現代においても古銭マニアといわれる一部の趣味人による狭い世界での趣味という位置付けに甘んじてきたといえます。

そこからようやくここ数年で、従来の古銭コレクターとは全く異なる投資家や富裕層をターゲットとした世界的なレアコインのコレクション文化が少しずつ流入しつつある段階だといえます。
現在、株や債券の代替資産として実物資産への分散投資が注目を集めていますが、そのなかでも安全資産としてのアンティークコインのコレクションニーズは、今後も国内においてもより一層高まってくるでしょう。

アンティークコインの日本市場
ASSETS / COLLECTION

現存するモノがすべて「歴史そのものが価値となる」

実物資産×コレクション

コインの実物資産としての人気の高まり Real assets

これは、2019年1Qの実物資産のパフォーマンス率を分かりやすくKnight Frank社がまとめたものです。
このところのウイスキー人気に押されてトップこそレアウイスキーに譲ったもののアンティークコインの上昇率が顕著といえます。
世界的に未曾有の経済危機を招いたリーマンショック時においてもその価値は下がることなく安定的に推移したため、ますます株式や債券の代替投資対象資産として人気の高まりを得ています。

2019年1Q 実物資産パフォーマンス率
Imaged by The Knight Frank Luxury Investment Index Q1 2019

コインの市場は株式市場に比べて小さいために、機関投資家が入ってくる余地はなく、今後も考えにくいとされています。
コイン市場を支えているのは、コレクション目的や資産の承継を目的とした富裕層の個人マネーです。

彼らは、レアコインの短期の売買を行いませんし、機関投資家と異なり株式マーケットに左右されない為、緩やかな価格動向となります。世代を超えた資産の承継や資産防衛を目的とした長期的な視点で市場が形成されているため、金融ショックに強いといえ、現在のコロナショックにおいてもレアコイン市場に個人の投資資金が流入しており、一層価格上昇に勢いがついてきています。

危機に強みを持つレアコインは、その歴史的・文化的価値とその優美な芸術的商品性により実物資産として安定的な地位を築いているのです。

コインはどのように評価されるか How coins are valued

コインの状態を示す指標が定めており、この評価により大きく価格が左右されます。

このモデルでは、日本に古くからある指標をさらに細分化したものと、米国式の指標を並べてあります。

米国式ではコインの状態を70段階のグレードに分類し、統一しているため一定の信頼度があります。

状態を示す指標
鑑定済みアンティークコインについて

鑑定済みアンティークコインについて

鑑定機関で鑑定したアンティークコインは「スラブ」と呼ばれる特殊樹脂ケースに封入されます。
スラブケースは米国スミソニアン博物館と共同開発した素材で、アンティークコインを最適な状態で保存できるように設計されています。

スラブ入りのアンティークコインは信頼の証であり、価値を決定付ける証明書になります。

主な鑑定機関
NGC社:(世界最大の鑑定会社)
PCGS社:(NASDAQ上場会社)

アンティークコインによる資産運用のメリット Advantages

アンティークコインは数に限りがあり、適切な保管をおこなえば劣化しないため、時間が経つにつれて希少性を増し資産価値が上がっていきます。世界中に多くのコレクターが存在しているため流動性が高く、売却先がなくなり手放せなくなるというリスクが低いといえます。

また、リスクの低い実物資産のなかでもアンティークコインはメンテナンスが必要ないため維持費がかからず、災害時であっても手軽に持ち運びでき、災害リスクを回避できるメリットがあります。

アンティークコイン投資は世界中のコレクターに支えられている実物資産であり、金融商品の値動きの影響を受けにくい特徴を持っていることから、多くの投資家から安全資産として運用されています。

6つの特徴

  1. 世界中で通用する
  2. 価格が安定
  3. 流動性が高い
  4. 持ち運びが簡単
  5. 維持費が不要
  6. 劣化しない
HISTORY OF COINS

コイン来歴の
紹介

PTOLEMAIC KINGDOM Arsinoe II, d. 270/68 BC
AV Octodrachm issued after c.193/2 BC rv diademed cornucopias
クレオパトラの先駆アルシノエ2世 プトレマイオス朝エジプト発行の巨大金貨

古代ギリシャ世界でほぼ最大の重量額面金貨でその重量は27gを超えており、その大型金貨であるがゆえに日常的に使用するために発行されたものではないとされています。

コインに描かれているのはプトレマイオス朝エジプトのリシュマコス王の妻アルシノエ2世の右向き肖像で、大型の直径を持っているものの、全ての意匠図がコインの中心に見事に収まって打刻されています。

クレオパトラの先駆アルシノエ2世 プトレマイオス朝エジプト発行の巨大金貨
クレオパトラの先駆アルシノエ2世 プトレマイオス朝エジプト発行の巨大金貨 クレオパトラの先駆アルシノエ2世 プトレマイオス朝エジプト発行の巨大金貨
クレオパトラの先駆アルシノエ2世 プトレマイオス朝エジプト発行の巨大金貨
Imaged by NGC Coin.UK

特別高彫りの超立体で描かれたアルシノエ2世の肖像と裏面には繁栄のシンボル、2つのコルヌコピア(豊穣の角)が描かれています。

左側には女王アルシノエの名前が刻まれ、右側にはフィラデルフォス“兄弟を愛する者”が明瞭に刻まれています(アメリカのフィラデルフィア州はこのコインの銘文から命名されたとされる)。

紀元前プトレマイオス朝エジプト発行の大型金貨のMS鑑定品で当時日本はまだ縄文時代晩期だった頃の金貨というと如何に歴史的価値が高いか容易に想像できます。
古代エジプトはアルシノエ 2 世の治世下で歴代最大の領土を手に入れたことが知られています。紀元前3世紀に発行された最大級の金貨。27gもある超大型金貨で古代エジプトの繁栄ぶりを今に伝えています。
クレオパトラ7世の死により、プトレマイオス朝エジプトは滅亡しました。

25 Ducat 1709 Austria Salzburg ザルツブルグ発行最高グレード25D金貨

本品は鑑定総数2品しか無い超希少品金貨群のその最高峰に位置するコインの一つです。

非常に稀なこの作品は、18世紀のザルツブルクの金貨の中で最大のものです。フランツ・アントン司教が大司教に就任した際に贈られたもので、ダカット数の小さいコインも同時に発行されました。コインにはこのような価値のある作品に相応わしく、細心の注意を払って装飾が施され、特に司教の法衣は細部まで驚くほどに繊細に彫り込まれています。

ザルツブルグ発行最高グレード25D金貨

高グレード相応の装飾が作品全体に見受けられ、神々しく反射する輝きも合わせて非常にバランスの整った作品だといえます。非常に良い状態で保存されたこのコインは、最高級の称号をほしいままにするでしょう。

ザルツブルグ発行最高グレード25D金貨
ザルツブルグ発行最高グレード25D金貨
Imaged by Heritage Auctions,HA.com

これまで3000万枚以上を鑑定してきたNGC社での鑑定総数で2枚というのは非常に希少なものといえます。「AU-58」1点、本品「MS61」1点の世界最高グレード鑑定品の25ダカットという超大型金貨。

神聖ローマ帝国では、流通用に発行されたダカット金貨は「1ダカット金貨(3.5g)と2ダカット金貨(7g)の2種類」でした。したがって、3ダカット金貨以上はすべて特殊な記念金貨としての発行として通常金貨群とはその希少度が全く異なるといえます。

記念金貨群は神聖ローマ皇帝や国王の「誕生記念」「戴冠記念」「婚姻記念」「逝去記念」「戦勝記念」「宗教的記念」「大寺院建立記念」などの際に極少数発行されていました。発行の大部分は3.5g以下の額面、つまり1/2ダカットや1ダカットなどでしたが、極めて少数ですが大型額面のコインも存在します。

1593 Austria 10D SALZBURG The Tower Of Faith ザルツブルグ10D信仰の塔

ザルツブルクとは、現在では中世の趣を残す小道、荘厳な城、街を囲う美しいアルプスの山々で有名なオーストラリアの中北部の都市ですが、オーストリア支配下に入ったのは19世紀以降とされています。
それまではドイツ諸邦のひとつとしていわば大司教が支配する宗教上の独立国として栄えました。1756年にはモーツァルトがザルツブルグにて生誕しています。

産出される岩塩をハライン (Hallein) 市において製塩し、大司教から特権を与えられたラウフェン(Laufen)の船乗りたちがハラインからザルツァッハ川(Salzach)を通じてヨーロッパ各地に送っており、その際の塩の積載量に応じた通行税をこの地の大司教が財源にしていたといわれています。

ザルツブルクの「ザルツ」とは「塩」を「ブルグ」とは「砦」を意味し、「塩の砦」を意味しているとされます。

ザルツブルグ10D信仰の塔
ザルツブルグ10D信仰の塔

本作品である信仰の塔は歴代ザルツブルグの最高傑作金貨として名高いものとされており、1593年大司教Wolf Thalerは自らの大司教就任記念として特別大型の10ダカット金貨を発行させました。

これらの大司教就任記念特別金貨は国家の最高実力者にギフトピースとして数枚贈呈されました。

ザルツブルグ10D信仰の塔
Imaged by NGC Coin.UK

あらゆる困難にも揺るがない信仰心の象徴としてのタワーが描かれ、試練の象徴として上空に激しい嵐と大粒のヒョウが塔を襲う自然災害の様子が見事に描かれています。
左右からは風の神が吹き付ける強風の様子が4体の風神として描かれタワーの足元には大洪水が押し寄せている様子がドラマチックに描かれています。
裏面には大司教Wolf Thalerの座像が描かれており、その右手には富の源泉である塩の箱、左手には王権の象徴を保持し下方にはザルツブルグの紋章が刻まれているものです。
鑑定されたの作品は全部で2枚。AU58が1枚、本品であるMS62が1枚しかありません。

信仰の塔は「神を信仰する者は如何なる試練にも耐える」という宗教の命題が見事に描かれており、見る者の心を強く打つ感動的なデザインでルネッサンス様式の名作金貨と評されている作品です。

TRANSACTION FLOW

お取引の流れ

ご購入

ご相談
ご購入とご納品
  1. 01. お客様のご予算、目的に合わせた対象コインの選定
  2. 02. コインのご紹介と現物の確認
  3. 03. 購入日の確定を行い、ご決済と現物のお引き渡し

ご売却

ご相談
お預かり / お買上げ
  1. 04. お客様のご要望に合わせた出口戦略のご相談
  2. 05. 売却手法による各期日でのお預かり/お買上げによる決済

アンティークコインを相続した際の税金について

相続税は財産的価値があるもの全てが課税の対象になるため、アンティークコインもその他の相続財産と同様に相続税の課税対象となります。アンティークコインの相続税は額面ではなくその時の時価によって計算され、評価額は「売買実例評価額」と「精通者意見価格」から算出されます。

相続税を計算する際に参照される評価額は、時価よりも低い傾向があるため評価額を圧縮することができ相続税対策にもなりえます。
また、アンティークコインは年数が経つにつれて高額になる可能性があるため、将来的に価格の上昇が見込まれるコインを生前贈与しておくことで将来の税に備えることも可能となります。

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